男性と女性では、意思決定の「中身」が違います。その区別も分からずに、男性を集客しようと考えても上手くいきません。なぜなら男性は「目的脳」で、女性は「共感脳」だからです。
その違いがわからないまま、いくらお金をかけて集客を試みても、思ったほど成果は出ません。
つまり、男性を集客するターゲットマーケティングを行う場合、男性と女性の「中身の違い」を知ったうえで、訴求する必要があるということです。
それができれば、思ったとおりに男性を集客することが可能です。それでは、男性を集客する具体的な方法を話していきます。
最後までお読みいただければ幸いです。
Contents
外せないターゲットマーケティングの考え方
そもそも、ターゲットマーケティングとは?
ターゲットマーケティングとは、字の如く「ターゲット」と「マーケティング」を組み合わせた言葉です。
- ターゲット=標的、まと
- マーケティング=商品やサービスの想定顧客
ターゲットマーケティングとは、想定した顧客を標的(ターゲット)に定め、その標的に対して、販売促進活動を展開していくことです。
たとえば、薄毛に悩む男性に育毛剤を売るならば、下記の手順に沿って販売活動を展開しましょう。
①薄毛に悩む20代の男性に
②累計600万本突破の育毛剤を
③返金保証(無制限)で販売
このように「①誰に②何を③どのように商品を勧めるのか」を意識することが大切です。
必ず押さえたい「男性と女性の違い」
男性と女性では、意思決定の「中身」が違います。この違いをきちんと押さえたうえで、男性に合った訴求をしていきましょう。
【男女の中身(性質)の違い】
男性:しっかり比較検討し、決めてから買いに行く性質がある
女性:運命の出会いを楽しみつつ、とりあえず試す性質がある
男性は「吟味したうえで、最高の物を手に入れたい」のに対し、女性は「運命の出会いも含めて最高の物を手にしたい」ということです。
男性は既に吟味した上で、目的物を買いに行く傾向があるので「目的の売り場」に直行します。ただ、女性は運命の出会いを求めているので、「たくさんの寄り道」を繰り返しながら目的物に向かいます。
目的を達成すると帰りたくなる男性と、色々な商品を見て回ろうとする女性。デパートなどに行くと、男性が女性の買い物に付き合っている光景をよく見るかと思います。
英語で買い物を表現すると、もっと分かりやすいです。男性は「Buy」、女性は「Shopping」です。
男性と女性で商品を購入する「意思決定までの道のり」が違うことを押さえましょう。
男性を集客するメリット
男性を集客する最大のメリットは、リピート率が高いという点です。
なぜなら、男性は目的物に直行し、他に寄り道をしません。そのうえ、一度気に入ったお店があると、その後もそのお店に直行する可能性が高いと言われています。
つまり、常連客になりやすいということです。
余談ですが、男性専用の理容室のリピート率が異常に高いのはこのためです。私自身、同じ理容室に10年以上通っていました。
「男性客を一度掴んだら、離れにくい」というのが最大のメリットです。
補足
女性は男性に比べてリピート率が低く、2度目の来店までが比較的に長いとされています。なぜなら、新しいお店や運命の出会いを求めているので、たくさんのお店に足を運ぶからです。※女性のマーケティングにも興味のある方はこちらの記事も参考に。
男性消費者の行動パターン
男性を集客する場合、男性の行動パターンを理解する必要があります。
- 何に興味を持って、
- どんな意思決定をし、
- どう行動するのか
これらが分かったうえで、マーケティングを行うのと、行わないのでは大きく結果が変わってきます。ターゲットマーケティングとは、「相手を知る」ことが何より大切なのです。
男性が購入を決めるまでの行動パターンは、下記の通りです。
①欲しい商品をリサーチする
②複数の商品を比較検討する
③最高のものを選ぶ
④欲しいものに直行する
この行動パターンの中で見逃してはいけないポイントがあります。男性が購入を決めるときは「論理的な理由」を軸に、リサーチします。
男性はプロセスより、結果を重視する傾向が強いです。そのため、下記のような判断軸で物事を考えます。
- どんなメリットが他にあるのか
- どのような場面で使えるのか
- 抱える問題を解決できるのか
このように男性は、論理的に結果を求める「目的脳」だということです。もう少し深掘りするために、早稲田大学の森川友義教授の記事が参考になりますので、共有しておきます。
我々の遺伝子の進化は非常に遅く、狩猟採集時代の遺伝子を引きずっています。農耕社会から産業社会になるまでの期間が大変短かったため、遺伝子が追いついていないのです。狩猟採集時代においては、男性は、狩猟している最中に会話をしていたら獲物が逃げてしまうので、必要最低限の目的のある会話しかしなくなり、その結果、「目的を解決するための解決脳」になっています。一方の女性は、いつ獲物に襲われるか分からないので、声をだすことで互いの存在を確認しなくてはいけませんでした。そのため、目的がなくても会話をする必要があり、女性の脳は、声を出して共感し合う「共感脳」というものに進化しました。
出典:星野リゾート 男は「目的脳」女は「共感脳」
男性はモノゴトを体系的に考えたり、論理的に思考することが得意です。この点を踏まえて、男性の集客を成功に導く具体的な方法をみていきましょう。
男性の集客を成功に導く手法
インターネット上で最も基本的な集客手段として、活用されているのがホームページになります。
そこで、ホームページのサイト内での「男性と女性の行動の差」をヒートマップを使い、具体的にみていきましょう(ヒートマップとは、データを可視化するために、行列型の数字データの強弱を色で視覚化する方法)。
例えば、あるレシピサイトをヒートマップから、ウェブサイトの訪問者がページ内のどの部分をクリックしているかを示したデータがあります(左が男性のクリック率、右が女性のクリック率)。
左の男性のクリック率はどれも1%以下ですが、右の女性のクリック率は高いもので15.7%もあります。
明らかに女性と比べて、男性のクリック自体が少ないことがわかると思います。これは今までお話してきた「男性は目的に直行する」という性質を押さえておくと、理解できるはずです。
男性は、「レシピを知る」という目的を果たしたため、そのままレシピサイトから離脱したということが分かります。何度もお伝えしている通り、男性の「目的脳」が顕著に垣間見えた例です。
ちなみに女性ユーザーは、色々な食べ物のレシピを見るために、様々なカテゴリーをクリックしています。目的のレシピを知ったあとでも「他にも素敵な情報はないかな?」と多くのページを回遊していることがわかります。
ちなみに、同じサイトのアテンションヒートマップでの分析画像です(赤くなっている部分は、ユーザーが長くページ内に滞在した部分になります)。
こちらも一目瞭然かと思います。
男性はレシピの原料や調理方法しか見ていないのに対し、女性はページ全体を見ています。
以上をまとめると、
- 男性には目的の情報を明確に配置する
- 女性には幅広く楽しめる配置にする
男性を集客するなら、目的の情報近くに「とにかく注目を引くキャッチコピーや大きな画像」を置くと、ユーザーの目に入りやすいです。女性の場合は、全体を見られるケースが多いので、細かい丁寧なサイト作りが必要になります。
これらの特徴は、ホームページに限らず、LP(ランディングページ)などの広告を運用するときにも使える知識になります。
きちんと男性と女性の違いを押さえたうえで、的確に訴求しましょう。
男性と女性では文章の書き方が違う
結論、男性を集客したいのであれば、「男性の注意を引くキャッチコピーを作ること」が大切です。
ただ、男性と女性で、刺さる言葉も違います。そのため男性には根拠(データ)を、女性には未来のイメージを訴求することです。
男性と女性では、コミュニケーションにおいて重視するポイントが違います。一般的には、男性は根拠やデータを重視し、問題を解決するのが自分の役割だと思うケースが多いです。
また、女性は感情を重視し、共感しあうことを大切にしていると言われます(早稲田大学の森川友義教授の記事参照)。
例えば、女性が男性に「ちょっと聞いてよ」と仕事の話をしたときに、男性はその悩みを「自分が解決しなければ!」と思います。ここでミスマッチが起こります。女性は「ただ、聞いて共感してくれればいい」と思っていることが多いからです。
文章の書き方にも、この男性脳・女性脳の考え方は使えます。
例えば男性に「このブログを読めば、3ヵ月で売上が2倍に」というようなデーターを提案します。女性には「このブログを読むことで、自由な時間が増えて、お金に悩まされることが減ります」というようなイメージを伝えます。
男性と女性の違いが分かれば、文章の書き方も変わります。文章の書き方が変われば、”文章に反応する人”も変わります。
男性には男性に響く言葉を、
女性には女性に響く言葉を使ってみてください。
最後に
男性と女性の違いを認識し、男性に刺さる言葉を選ぶことが重要です。ターゲットマーケティングに必要な最低限のことは、お話いたしました。
男性の行動パターンを認識し、刺さる訴求文を作ることが欠かせません。男性と女性に刺さる言葉の概念を下記にまとめておきましたので、参考にしてほしいです。
男性に刺さる言葉
根拠/データ/論理的/問題解決/目標達成/独占欲を刺激
女性に響く言葉
イメージ/感情的/キレイ/愛されたい/安心感/共感・共有
男性と女性に響く訴求ポイントを押さえたうえで、集客に取り組みましょう。今までとは違う結果が得られるはずです。