女性マーケティングで最も大切なポイントは、「女性を知ること」です。”女性特有の心の動き”を掴むと、女性をターゲットにしたビジネスが上手く回ります。
なぜなら家庭内においては、男性より女性のほうが「購買決定権に影響がある」からです。
夫婦間で誰の意見で購買決定するかを調査したところ、妻が購買に影響を与えている確率は89.8%、夫は59.1%というデータが出ました。(出典:株式会社 PR TIMES 女性の購買決定権調査)
つまり家族層を狙うならば、男性より女性をターゲットにしたほうが「商品やサービスを購入する確率は高い」ということです。
また、本ブログでは独身の女性をターゲットに設定したとしても、「今すぐ欲しい!」を引き出す女性マーケティングの大原則を説明しています。最後の章では、”特別感を演出する小技”などもご紹介していますので、ご一読いただければ幸いです。
Contents
女性マーケティングとは何か?
女性をターゲットにしたマーケティングとは、「女性特有の心の動き」を知り、販売戦略に活かすことです。
多くの企業や個人が女性をターゲットに販売戦略を打ち出しますが、上手くいきません。その理由は、下記の3つを満たしていないからです。
- 男女の行動パターンを知らない
- 女性特有の心の動きを知らない
- 女ゴコロを掴むコツを知らない
女性と男性では、考え方や行動がまるで違います。この3つを押さえることで、自社の販売戦略を十二分に活かすことができます。
本ブログでは、この3つを中心にお話していきます。
男女の行動パターンを知り、販売戦略に活かそう
まず男性と女性の性差を見ていきましょう。
女性:運命の出会いを楽しみつつ、とりあえず試す性質がある
男性:しっかり比較検討し、決めてから買いに行く性質がある
女性は「運命の出会いも含めて最高の物を手にしたい」のに対し、男性は「吟味したうえで、最高の物を手に入れたい」ということです。
女性は運命の出会いを求めているので、たくさんの寄り道を繰り返しながら目的物に向かいます。ただ、男性は既に吟味した上で、目的物を買いに行く傾向があるので「目的の売り場」に直行します。
色々な商品を見て回ろうとする女性と、目的を達成すると帰りたくなる男性。デパートなどに行くと、男性が女性の買い物に付き合っている光景をよく見るかと思います。
英語で買い物を表現すると、よりイメージしやすいと思います。女性は「Shopping」、」男性は「Buy」です。
男性と女性で商品を購入する「意思決定までの道のり」が違うことを押さえましょう。※より深く男性のマーケティング戦略も知りたい方はコチラへ。
女性特有の心の動きを知ろう
女性特有の心の動きを知ることで、女性の信頼を獲得することができます。
前章でもお話しました、男性と女性で商品を購入する「意思決定までの道のり」が違うことをお伝えしました。重複しますが、女性は「Shopping」、男性は「Buy」です。
男性と違い、多くの女性たちは詳細がよくわからないまま「とりあえず試してみよう」というショッピング的な発想を持っています。
男性のように、論理的な説明やエビデンス(証拠)を積み重ねて訴求されるより、パッと見た瞬間にときめくような好意的な印象を与えるほうが圧倒的に有利になります。
つまり「第一印象に注力すること」が大切だということです。
次の章では、第一印象を上げるコツをご紹介していきます。
女性マーケティングで信頼を獲得する方法
女性マーケティングで大切なのは、”とにかくわかりやすさ”を重視することです。
多くの女性は「ときめいた」という自分の直感が間違っていないかを確かめるために、”興味があるポイントだけ”を注目してみます。
商品やサービスの説明文の中から、知りたい情報だけをピックアップします。その際にわかりにくい説明文だと一気にときめきが失われていきます。
文字の羅列をできるだけ避け、写真やイラストを多めに取り入れることで「読みやすい構成」にしておくのが、基本です。
気に入った商品がわかりやすい構成になっていれば、信頼に繋がる要素になります。
五感を使って打ち出していこう
女性マーケティングするうえで欠かせない、「第一印象の大切さ」を打ち出すために、五感を刺激することが大切です。
例えば、化粧水などを訴求する際に「しっとりぷるん♪」とか「すーっと浸透」といった擬音語や擬態語を使用したりします。
情報を受け取った女性が、「どんな風に感じるのか」という表現をきちんと訴求すると、目を留めてくれます。男性には響かない訴求方法です。女性”ならでは”の表現の仕方ですので、押さえましょう。
五感を通して、第一印象をアップさせるオノマトペ(擬音語や擬態語の総称)
- 「キラキラ」「グイグイ」「スッキリ」「トロリ」「スベスベ」「モグモグ」「ゴシゴシ」「サクッと」「すーっと」など
五感を刺激した実例
- 「ガリガリ君」「ピッカピカの一年生」「コトコト煮込んだスープ」「ほっかほっか弁当」など
余談ですが、このような視点で商品の訴求方法を見ると、”誰に向けた商品なのか”が分かるようになります。
客観的な視点で背中を後押ししよう
第一印象を上げて、商品やサービスに目を留めてもらった次に行う施策は「客観的な立場から”あなたにピッタリですよ”」とオススメすることです。
特に女性はセールスマンの売り込みトークを信じたり、良いことばかり謳う説明文を信用しません。利害関係のない客観的な意見を求めています。
実際の消費者の口コミに絶対に目を通すのが、女性です。また、インスタで評判になっている商品やサービスなどにも強い興味関心を抱きます。
同じような悩みを抱える第三の一般女性から「あなたには、これしかない」という訴求が一番響くのです。
余談ですが、LP(ランディングページ)などの広告文を作成する際に、女性をターゲットとする商品であれば”必ず口コミを入れる”ようにしています。顔出しや本名などを掲載すると一層効果的です。
自分で選んだ気分にさせる小技
「あなたには、これしかないです」と言わずに、「他にもこういった商品がありますよ」と選択肢を一つに絞らないように訴求しましょう。
たいていの女性は、押し売りや選択肢がない商品の選び方を苦手とするからです。先程の「あなたにピッタリですよ」と伝えても問題がなかったのは、”第三の客観的な意見”だからです。
販売者が「これがピッタリです」と言ってはいけません。必ず「自分で選んだ」という環境を作ることが大切です。
つまり、あくまでも主導権はお客様に握ってもらうということです。
選択肢を一つに絞らないと説明しましたが、自由に選ばせるというのは少し違います。きちんとプロの目線で選択肢を絞ってあげることです。
選べる選択肢の例
- 2品選べる ディズニーのカタログギフトセット
- 選べる体験ギフト とっておきの宿
- 選べる選りすぐりの国産和牛
販売者側は「あなたにピッタリ」という訴求ではなく、自由に選べるように見せるのがポイントです。
女ゴコロを掴めば、高くても納得してもらえる
女性は男性と違い、快適なお買い物という体験自体にも価値を感じます。
「買うつもりだったのに、このお店のスタッフからは絶対に買わない」ということはよくあることです。男性は多少気に食わない販売員でも、目的物のためであれば我慢して購入する傾向があります。
ただ、女性は突発的な素敵な出会いを求めて、買い物をします。商品は素敵だけれど、”商品を買うまでのストーリーが気に入らないけど買う”、ということはありません。
目的達成型の男性とストーリー型の女性では、大切にするポイントが大きく異なります。快適な買い物と特別感を求めているのが、女性です。
快適な買い物に欠かせない、下記の項目を意識してみてください。
- 先回りした提案をしてくれた
- メリットとデメリットを説明した
- ベネフィットがわかりやすかった
接客の基本中の基本ですが、必ず押さえてほしい3点です。特に3つ目の「ベネフィット」の考え方は外せません。
「ベネフィットってなに?」と思う方もいると思うので、簡単に説明した私の投稿を参考にしてみてください。
最後に
女性と男性ではマーケティングの根本が違います。女性をターゲットにするのなら、女性の行動パターンや思考を押さえないといけません。反対も然りです。
「顧客をきちんと知る」ということが欠かせません。究極、マーケティングとは”どれだけ顧客の行動や感情を読み取れるか”です。
その行動の先に、商品をポンッと置くだけで売れる流れを作るのが、マーケティングの完成形になります。
ぜひ、顧客を知るということに目を向けてみてください。