時代が移り変わればマーケティング戦略も変わる…マーケティング業務に関わる人は、日々の仕事だけではなく、新たな知識も学びながら、自らの能力を高めていく必要があります。
この記事では、マーケティングにおける分析手段としてはスタンダードなものである「3C分析」と「4P分析」について解説しています。
マーケティングの基礎を知りたいと考えている人は、ぜひ読んでみてください。
3C分析
3C分析は、経営コンサルタントの大前研一氏が1980年代に提唱した、マーケティング戦略立案の際に使用する分析手法です。
マーケティング戦略を立案する際は、自社の状況だけではなく、外的要因も考慮しなければなりません。
この3C分析では、「C」は下記の英語の頭文字を取っています。
- Customer(顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
上記の3つを分析することで、その結果を今後の事業の進め方やマーケティング戦略の決定に生かします。大前氏が戦略的三角関係と呼び重要視した3C。近年では、この3Cを基にした「4C」「5C」などの分析手法も登場しています。
3C分析の目的
3C分析では、3Cを分析することで、「成功要因=KSF(Key Success Factor)」を発見することを目的としています。
自社と、外的要因である顧客、競合について比較・検討することで、自社のストロングポイントやウイークポイントが浮き彫りになるため、無駄な手を打たず、効率的な施策を打つことが可能になります。
3C分析・Customer(顧客・市場)
マーケティングは企業側の都合で進めても効果を得られません。
顧客のことを知らなくては、商品やサービスを販売することは不可能です。そのため、3C分析においては、まずCustomerを分析します。Customer分析では、市場規模やその可能性、顧客のニーズなどが分析の対象です。
この3Cを分析する際、マクロ的な要素(政治や経済、社会など)とミクロ的な要素(業界内の力関係など)を考慮して、これらが自社に与える影響を考えながら戦略を煮詰めていきます。
3C分析・Competitor(競合)
競合他社の分析です。競合の規模やマーケットシェア、商品やサービスのストロングポイント、ウイークポイントなどを分析します。競合を分析する際は、結果と要因を考えることが重要です。
たとえば、マーケットシェアや売上は結果です。そしてその結果につながった要因は、カスタマーサポートや販売経路などが挙げられます。競合を分析する際は、この結果と要因の関係をしっかり見定めることがとても重要です。
3C分析・Company(自社)
自社の分析は、顧客と市場、競合の分析の結果を基にして行います。
自社を取り囲んでいる外的要因を、自社の体制と比較することで、自社のストロングポイントとウイークポイントをあぶり出します。比較する範囲は、販路や技術、収益や売上高まで多岐にわたります。そして、最終的に成功要因を見つけるのですが、この特定にはクロスSWOT分析という分析手法が有効です。
このクロスSWOT分析では、従来のSWOT分析であぶり出されたストロングポイントとウイークポイントをクロスさせることで、どうすればストロングポイントを最大化し、ウイークポイントを最小化できるのか考えます。
自社のストロングポイントを生かして機会を勝ち取ることが、最優先事項です。
4P分析
4P分析も、マーケティングの施策立案の際に使われる分析手法です。4P分析では、顧客のニーズを中心に考えて分析を進めていきます。
4Pは、1960年代にエドモンド・ジェローム・マッカーシー氏が提唱した分析手法です。4Pの「P」は下記の英語の頭文字を取っています。
- Product(商品とサービス)
- Price(価格)
- Place(場所・チャネル)
- Promotion(販促)
4P分析は通常、マーケットの分析とマーケティング戦略の立案のあと、具体的な施策を考えるときに用いられます。たとえば、先にご紹介した3C分析を行ったあとに4P分析を行い、具体的な施策を立てます。
4P分析の方法・Product(商品とサービス)
それでは、4P分析の進め方について解説します。各項目を順番に見ていきましょう。まずはProductからです。
Productの分析は、顧客がどんな商品やサービスを求めているのか、そのニーズを考えながら進めていくことが重要です。
この段階では、前段階の3C分析などであぶり出した自社のストロングポイントを使い、ターゲットとなる顧客が求めている商品やサービスを開発、供給することを考えます。
ターゲットとなる顧客が異なれば、当然、ニーズも異なります。Productを考える際は、顧客の心の奥をのぞき込むように深掘りして、顧客にとって問題の解決策となるような商品とサービスを考え出すことが重要になるでしょう。
4P分析の方法・Price(価格)
Priceは、利益と需要、競合というポイントで考えます。価格設定にはさまざまな方法がありますが、4P分析ではまず、下記の3つを軸に考えます。
- 利益率を考えた価格設定
- 需要を考えた価格設定
- 競合の設定した価格を考慮した価格設定
利益率を考えた価格設定
「利益率を考えた価格設定」は、商売の基本であり、それはこの4P分析を行う際も同様です。
需要を考えた価格設定
「需要を考えた価格設定」は、たとえば、1本1万円のビールを売る場合、そのビールは価格に見合ったものである必要があります。ただ、「この価格で本当に需要があるのか?」と考えるのは当然のことでしょう。しかし、あえてこの視点で商品やサービスを開発する…こんな戦略もあります。
競合の設定した価格を考慮した価格設定
「競合の設定した価格を考慮した価格設定」も、私たちは日常生活でよく目にしています。施策を立案する際は、価格は気にせず、それ以外の部分での勝負を考えることもあります。
3つの軸の補足
これらが重なったところに戦略的な着地点はありますが、その着地点は顧客心理や特別な意図を持った価格戦略なども考慮して決定します。すべてのバランスがとれている必要はありません。
4P分析の方法・Place(場所)
商品やサービスを扱う場所や流通経路(チャネル)を考える戦略です。主に3つのチャネルがあります。
開放的チャネル
商品を取り扱う業者を特に限定せず、比較的自由に商品を流通させる方法です。流通量が増えるため、販売数も伸び、販売エリアも広がりますが、価格競争が発生してブランディングの問題が発生することがあります。
選択的チャネル
商品を取り扱う業者を絞る流通方法です。販売数は伸びず、販売エリアの広がりも限定的になりますが、その分、コントロールはしやすくなるでしょう。
排他的チャネル
代理店を使って商品を取り扱う業者を限定する流通方法です。メーカーが直接、エンドユーザーに商品やサービスを届けるという手法も可能です。
4P分析の方法・Promotion(販促)
販促は、これまでに検討してきた中であぶり出した自社のストロングポイントを利用し、顧客に対してアピールするのに効果的なメディアを選択し、競合との違いを明確にすることを目的として行います。
最後に|もう少しマーケティングを学びたい方へ
マーケティング戦略の立案や、詳細なマーケティングのための施策を立案する際に使われる3C分析と4P分析について詳しく解説しました。
企業がマーケティング活動を進めていく際は、自社の置かれている環境を考えてストロングポイントやウイークポイントを理解することが重要です。
これらを理解してストロングポイントを最大化して、顧客が望む商品やサービスを効率よく顧客に届けられれば、理想的なマーケティング活動だといえるでしょう。
追伸|マーケティング力を鍛える方法
ここまで記事を読んでいただけたということは、マーケティングに少し興味があると思っています。
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