「営業が上手い人は普通の人と何が違う?」「どうすれば営業が上手くなる?」のように、売れる営業マンに近づきたいと考えてはいるものの、「明確な違いが分からず”具体的に何をすればよいか?”」に悩む人は多いです。
手前味噌ですが、私は住宅営業として毎年4億円の売上を上げており、60ヶ月連続売上No.1を樹立。営業部の人はもちろん、他の部署の方からも「営業が上手い人」だと認識されています。
これらの結果は、私が商談の核である「ヒアリング」と「プレゼンテーション(以下:プレゼン)」の重要性を理解して、日々の商談に望んでいるからです。
今回は、営業が上手いと言われる私が、普段から実践する「ヒアリング」と「プレゼン」のコツをお伝えします。
紹介する内容は、100冊以上の営業本を読破した私が新人営業マンでも明日から使えるほどに洗練した代物になります。そのため、私のような住宅営業だけでなく、あらゆる商品やサービスを売る人にでも活用可能です。
Contents
営業が上手い人は「ヒアリング」と「プレゼン」が突出している
営業が上手い人は「ヒアリング」と「プレゼン」の能力が、普通の営業マンとは比べ物にならないほど高いと言えます。
営業の本質は「お客様の悩みや課題を聞き出して、自社の商品がどのように解決できるのか?」を提案する仕事だと分かっているからです。
売れる営業マンは「聞く力」と「提案力」の重要性に気づき理解しているからこそ、お客様の問題解決が図れており、結果として多くの契約をいただいています。
私は部下に指導する際、よく「営業とお客様」は「医者と患者」の関係と一緒だと伝えています。
【医者と患者の関係】
①医者が患者に対して問診
②問診をもとに処置
③患者は手術や投薬で症状が改善
【営業とお客様の関係】
①営業がお客様に対してヒアリング
②ヒアリングをもとにプレゼン
③お客様は商品やサービスで悩みを解消
患者が病気を治したいと思っているように、お客様は「商品やサービスを利用して『自分の望みを叶えたい』と思っている」と理解しましょう。
売れる営業マンは、商談の序盤で必ずお客様の「悩み」をヒアリングしています。聞き出した「お客様の個別の悩み」に対して、最適なプレゼンを行っているだけなのです。
このように「ヒアリング力」と「プレゼン力」は、どちらも上手い営業になるために絶対欠かせないスキル。この2つの技術を磨くと、お客様に寄り添った提案ができるようになるので、必然的に営業が上手い人(=売れる営業マン)になれるのです。
営業が上手い人が実践するヒアリングの目的とコツ
ヒアリングの目的は、お客様の悩みやニーズを引き出すことです。
お客様にはあなたが販売する商品を通して、「実現させたい夢」や「避けたい現実」が必ずあり、営業マンはそのようなお客様の要望を理解しないといけません。
お客様の願望や問題点が分からなければ、商品のプレゼンをしても効果的かつ刺さる提案ができないからです。
例えるならば、「腹痛を治したい」と思って来院した患者に対して、医者がまともなヒアリングをせずに「頭痛薬を処方する」ようなもの。怖すぎる話です。一発でニュースになります。
お客様に商品を気に入ってもらいたいのであれば、ヒアリング技術の習得は絶対です。「ヒアリングを制する者は商談を制する」と覚えておきましょう。
ここから具体的なヒアリングのコツをお伝えしていきます。
ヒアリングのコツ①「与えず」に「引き出す」意識を持つ
ヒアリングで最も重要なのは「与えず」に「引き出す」意識を持つことです。
具体的には「どうして話を聞いてみたいと思われたんですか?」と、「きっかけ」を聞くようにしてください。医者が患者に対して「今日はどうなされましたか?」と聞くようなイメージです。
ここで注意していただきたいのが「〇〇でお困りではありませんか?」と、営業マン側がお客様に情報を「与えてしまう」という間違いを犯すこと。
先に情報を与えてしまうと、お客様は自ら考えることを辞めてしまい、結果的に営業マンはそのお客様の悩みや欲求を知ることができなくなります。
会話のイメージは以下の通りです。※住宅購入の場合
営業「どうして話を聞いてみたいと思っていただけたのですか?」
お客様「そろそろマイホームが欲しいなと考えておりまして。」
営業「そのように思われた『きっかけ』があったのですか?」
お客様「2人目の子供が生まれて、部屋が手狭になってきたんです…」
このような感じで、お客様自身から悩みを引き出すことができると、「お子様がのびのび成長できる広くて快適なお部屋です!」のような刺さるフレーズを狙って言えるようになります。
ヒアリングは「与えず」に「引き出す」イメージが持てると、お客様の悩みが手に取るようにわかるはずです。
ヒアリングのコツ②過去に遡り未来を想像させる
ヒアリングで悩みが引き出せるようになったら「いつ頃からそのように思ってるんですか?」と、過去に遡ってみてください。
お客様が悩みを考えている期間が長ければ長いほど、問題が深刻化している可能性が高いからです。また、過去に遡る質問をすることは、お客様ご自身に「問題を再認識させられる効果」も期待できます。
当然に深刻な状況であればあるほど、営業マン側は解決策の提案をしやすくなります。
過去に遡って悩みの深さがわかったら「その悩みがこれからも続くとどんなお気持ちになりそうですか?」と、未来を想像してもらうのも営業が上手い人がよく使うテクニックです。
たいていの場合、上記の質問を投げかけると「何とかしないといけないですね」という答えが返ってきます。その言葉を聞けたら、ヒアリングは大成功。
完全にお客様の悩みを把握できたことになり、刺さるプレゼンができるようになります。
会話のイメージは以下の通りです。※住宅購入の場合(前章の続き)
営業「部屋が手狭だと感じられたのはいつ頃からですか?」
お客様「1年前からです。子供たちのおもちゃが段々と増えてきてしまって、足の踏み場にも困っています…」
営業「1年前からお考えなのですね。確かに今後も物が増えたら益々大変そうです。〇〇様、もし、これからも同じような状況が続いたらどのようなお気持ちになりそうですか?」
お客様「(考えて)…狭い家だと窮屈で良くないですね。子供たちにも部屋を作ってあげたいし…」
営業「それはステキなお考えですね。それでは、お子様がのびのびと成長できる広くて快適なプランをご提案させていただきます」
いかがでしょう?営業とお客様のやり取りで、上手なヒアリングができていることを感じていただけるかと思います。
ヒアリングにおいては、下記の3点を押さえることで”営業が上手い人”と同じレベルでヒアリングが可能です。
- きっかけを聞く
- 引き出す意識
- 過去に遡り未来を想像させる
ぜひ、メモまたはスクショして”いつでも見返せるように”しておいてください。
営業が上手い人が実践するプレゼンの目的とコツ
プレゼンの目的は、お客様に商品の魅力を伝えること。さらに言うと、その商品やサービスをあたかも使っているように”感じて”もらうことです。
そのため、普通に伝えるだけでは売れません。当たり障りのないプレゼンでは、お客様の「欲しい」という欲求や感情を刺激できないからです。
一方で、営業が上手い人のプレゼンは、驚くほどお客様の心を動かします。
上手なヒアリングによってお客様のニーズが分かっているため、より具体的に効果を伝えられるからです。お客様毎の要望に合わせて、ピンポイントで話が展開できるため、当たり前にお客様の「欲しい」という感情を刺激できるようになります。
同じ商品をプレゼンするにも、売る人によって確実に伝え方、強いては結果が変わるのです。
これから、お客様の心を動かすプレゼンでの効果的なコツを2つ紹介します。
プレゼンのコツ①メリットではなく、ベネフィットを伝える
プレゼンで最も意識して欲しいのが、メリットではなくベネフィットを伝えること。
まず、メリットとベネフィットの違いをお伝えします。
メリット → その商品やサービスの特徴・利点
ベネフィット → 商品・サービスから得られる利益
もう少しわかりやすく、メリットとベネフィットの定義を140文字で解説していますので、ご一読ください。
一言でいうと、メリットは主語が「商品・物」であり、ベネフィットの主語は「人」です。
もう一つ具体例をご紹介いたします。例えば、横幅が2.5mあるキッチンをプレゼンするときだと、以下のようになります。
メリット → このキッチンの幅は広く、作業スペースが確保しやすいのが特徴です。
ベネフィット → このキッチンは作業スペースが広いので、朝の忙しいときでも同時に3品作れます。
毎朝、子供たちの弁当や朝食を作るのに忙しい奥様には、ベネフィットの説明がイメージしやすいはずです。
プレゼンでは、人が主語となるベネフィットを中心に話を展開するのが正しいやり方だと言えます。加えて「もしこのキッチンを使うと、そのときの気分はいかがですか?」と、「感情」についての質問を投げかけるのもおすすめです。
気分や感情を聞くと、お客様は勝手に脳内で使っている姿をイメージしてくれます。「嬉しい・楽しい・悩みが改善できそう」などの返答がもらえると、感情を刺激できている証です。
人は脳内でイメージすると、「自分事」として捉えるように仕組み化されています。
この事実をうまく利用するために、プレゼンではベネフィットを活用しつつ、その時の気分を聞くようにしてください。
そして、ベネフィットに加えて”セールスストーリー”を添えてみてほしいのです。なぜなら、ベネフィットを淡々と語られるよりは、「物語」としてお客様にプレゼンするほうが”興味関心”を抱いてくれる確率はグンッと上がるからです。
ちなみに、スタンフォード大学の脳科学の研究によると、「ストーリーは単純なファクトや数字よりも最大22倍も覚えやすい」という研究結果が出ています。もはや使わない理由がありません。
詳しくは「【セールスストーリー】伝説の営業マンが教える門外不出の4つのルール」の記事で解説していますので、必ずご一読ください。
これまでに見たことがないお客様からの良い反応が返ってくることでしょう。
プレゼンのコツ②実際に使ってもらう
商品によっては試供品などを渡して、その場で実際に使ってもらうのが効果的です。
「百聞は一見に如かず」という言葉の通り、お客様が目の前で商品の効果を実感できると、一瞬にして納得していただけます。
実際に行われたマーケット調査でも、服屋で「試着ができる店」と「試着できない店」だと、前者の方が売上が高いという結果が出ているほどです。もし、あなたが住宅販売の営業である私のように、実際に使ってもらうことが難しい職種の人は、「1シーンだけでも体験してもらえる方法はないか?」と考えてみてください。
例えば、私の場合だと、お客様をモデルハウスを案内するときに、玄関ドアは必ずお客様に開けてもらっています。その際に「『ただいま!』という気分で入ってくださいね!」と伝えているのです。
たったこれだけの工夫でも、お客様のリアクションが「笑顔になったり、声のトーンが上がったり」と、面白いほどに変わります。また、リビングダイニングに設置してある「ソファー」や「ダイニング」にも必ず座ってもらいます。実際に使ってもらう「体験」を通して、お客様の購入意欲を刺激できるように心がけているのです。
プレゼンにおいては、「ベネフィットを伝える・気分を聞く・実際に使ってもらう」この3点を意識してください。営業が上手くなっている実感が持てることでしょう。
最後に|「ヒアリング」と「プレゼン」を極めると営業が上手い人になる
ヒアリングとプレゼンのスキルを上げると、社内で「営業が上手い人」だと一目置かれる存在になれます。当然ながら、営業が上手いとお客様からの信頼も得られるようになり、多くの契約をいただくことが可能です。
今回紹介したヒアリングとプレゼンのコツは、私自身が普段から実践しているテクニック。おかげで、現在も60カ月連続売り上げナンバーワンのトップ営業の座を維持し続けていられるのです。
ぜひ、あなたも今日から実践していただき、周りから「営業が上手い人」だと言われる人材を目指してください。これまで以上に営業という仕事が楽しくなるはずです。
最後に、このブログでは他にも営業のテクニックや考え方をアップしています。以下は、苦手な人が多いクロージングに関する内容なので、読んでみてください。