商品でもサービスでも、インターネット上で販売しようとするならば、文章を使ってユーザーを購買行動へと導かなくてはなりません。その購買行動へと導くために使われる文章のことをセールスライティングと呼びます。
セールスライティングには、いくつかの種類がありますが、どのセールスライティングも「型」があることが特徴です。
このセールスライティングの型を覚えることで、「自分には文章のセンスがないから、人を動かす文章が書けないんだ」という悩みが解決されるでしょう。
Contents
セールスライティングとは?
セールスライティングは、商品やサービスを販売するための文章の書き方です。文章の組み立て方法といったほうがわかりやすいかもしれません。
対面して顧客に直接営業する場合は、それなりの方法があります(対面営業はこちらの営業ブログで紹介しています)。インターネット上でも同様で、人と対面しないインターネットだからこそ、ライティングスキルが必要になるというわけです。
セールスライティングが使われる場面
インターネット上では、知らないうちにセールスライティングの技術が使われています。
- LP(ランディングページ)
- 商品やサービスの紹介
- アフィリエイト
- メルマガや公式LINE
- DMやチラシ広告
- 雑誌や新聞広告
特に商品を売るためのLP(ランディングページ)は、セールスライティングの技術が詰め込まれています。もしかすると、LPという言葉が聞き慣れないかもしれませんが、一度は目にしたことがあるはずです。下記の赤枠(広告ページ)をクリックすると、縦長のWebページに移動します。
検索結果や広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページをLP(ランディングページ)と言います。このページで使われている型やテクニックがユーザーの購買行動を促進させます。
セールスライティングに必要な「キャッチコピー」
売れる文章の書き方と型を知る前に、キャッチコピーの知識を頭に入れましょう。
なぜなら、キャッチコピーを押さえないと、”最後まで文章を読んでもらえない”からです。
セールスライティングは、最後まで読んでもらってこそ、効果を発揮するライティング技術になります。文章が苦手な方でも読みやすいように「キャッチコピーの書き方」をまとめたので、一読してください。
セールスライティングの「書き方」と「型」
セールスライティングには型があります。先ほども触れたとおり、セールスライティングは、ユーザーを購買行動に導くための文章です。いくつか典型的な「型」があるのでご紹介します。
AIDMAの法則
AIDMAの法則は、ユーザーが商品の購入へと至るプロセスに合わせて、戦略的にユーザーを誘導するために考えられた法則です。AIDMAの法則では、ユーザーが購入へと至るプロセスを5段階に分けて考えます。
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
Attentionの段階では、とにかくターゲットユーザーの注意を引くことが目的になります。商品を紹介することが、この段階の中心です。
Interestの段階では、紹介した商品に関心を持ってもらわなければなりません。どんな商品で、この商品を使うことによりユーザーにどんなメリットがあるのか、わかりやすく説明します。
Desireの段階では、関心を持ってもらった商品を手に入れたいと思わせることが目的になります。その商品を手に入れることでこんな幸せが訪れる…という感じのアピールをします。
Memoryの段階では、手に入れたいと思わせた商品を、さらに印象づけるために、ユーザーに、この商品を手に入れることで解決できることを詳しく提示します。
Actionの段階では、手に入れたいと思わせたユーザーのその背中をひと押しする段階です。
AIDMAの法則は、セールスライティングを進めるうえで考慮したいプロセスのことであり、ライティングをするうえで無理にこの形にはめる必要はありません。ユーザーの心理を理解するために利用しましょう。
CREMAの法則
CREMAの法則は、ユーザーの行動を促すための型です。シンプルな文章を書きやすいので、最後まで読ませたいときにとても有効です。CREMAの法則では、下記の5段階に分けて文章を構成します。
- Conclusion(結論)
- Reason(理由)
- Evidence(証拠)
- Method(手法)
- Action(行動)
CREMAの法則では、まず結論を示します。そして、その結論を出した理由を説明します。さらにその理由を支持するための根拠を表します。ユーザーを納得させることが狙いです。
証拠を表してユーザーを納得させられたら、どうすれば結論で示したことに到達できるのか、その方法、手法を示します。
そして締めくくりとしてユーザーに行動を求めます。ユーザーを行動へと誘うひと押しをします。
PASONAの法則
PASONAの法則は、セールス関連の文章だけではなく、プレゼンなど、さまざまな場面で用いられる文章の構成方法です。 PASONAの法則では、下記の6段階に分けて文章を構成します。
- Problem(問題)
- Affinity(親近感)
- Solution(解決策)
- Offer(提案)
- Narrow down(絞り込み)
- Action(行動)
Problemの段階では、ユーザーが持つ悩みをはっきりさせます。ユーザーも実はまだ感じていない潜在的な悩みを認識させることも、この段階の狙いのひとつです。
Affinityの段階では、親近感を持ってもらえるよう、ユーザーの悩みや不安に寄り添う存在であることをアピールします。そしてSolutionを提示します。ビジュアルエイドがあると、ユーザーは解決策をさらに理解しやすくなります。
解決策を提案したら、解決のための商品について、価格なども含めて詳しく提案します。
Offerをしたあとは、ユーザー行動へと導くため、「特別感」や「急がなきゃ」という気持ちになってもらうための仕掛けを用意します。これがNarrow downの段階です。さらに最後にもうひと押しして、行動へとつなげます。
PASONAの法則は、ユーザーの購買行動をあおるのに効果的ですが、このような構成のために文章が長くなる傾向があります。
PREP法
PREP法は、ブログの記事の構成やビジネス文書の構成としておなじみの文章構成方法です。PREP法では下記の4段階で文章を構成します。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論)
CREMAの法則同様、PREP法でも結論が最初に来ます。そして、その結論をサポートする理由を説明します。さらに、結論の内容を固めるために具体例を挙げてユーザーを納得させます。最後にもう一度、結論を提示し、ユーザーの理解を確固たるものにします。
PREP法はとてもシンプルな構成なので、ライターならぜひ覚えておきたい構成方法です。余談ではありますが、私のTwitterではPREP法をよく使用しています。
短い文章を書く時に使えますので、おすすめです。
QUESTの法則
QUESTの法則は、ユーザーの心の動きを考えて文章を構成する方法です。 QUESTの法則では、下記の5段階に分けて文章を構成します。
- Qualify(絞り込み)
- Understand(理解・共感)
- Educate(教育)
- Stimulate(刺激)
- Transition(変化)
QUESTの法則では、まずユーザーを絞り込むため、クエスチョン形式で入る文章が多くなります。つづくUnderstandの段階では、ユーザーが持つ悩みごとへの理解や共感を表す文章を書きます。つづくEducateの段階では、販売しようとしている商品が悩みごとの解決策になることを、裏付けとともに提示します。
Educateの段階で気持ちが盛り上がってきたユーザーを、商品を手に入れたときに感じられるメリット、手に入れなかったときのデメリットなどを説明し、刺激します。
そして最後にユーザーを購入へとひと押しします。 QUESTの法則では、ユーザーの絞り込みが必要なので、すでにある程度、悩みごとを理解しているユーザーに対して使用する文章構成だといえます。
SDS法
とてもシンプルなSDS法は、ユーザーに対し、スピーディーにメッセージを伝えたいときにおすすめの文章構成方法です。SDS法では、下記の3段階で文書を構成します。
- Summary(概要)
- Details(詳細)
- Summary(まとめ)
まず、概要を伝え、そのあとに少し詳しい内容の説明を行います。Detailsの部分は、複数になってもかまいません。最後に、文章全体を振り返って簡単にまとめます。
SDS法は、このようにとてもシンプルな構成なので、購買行動につなげるというよりは、商品やサービスのことを知ってもらう、読んでもらうための文章構成だといえます。
最後に|ベネフィットライティングは押さえてほしい
セールスライティングと、セールスライティングの書き方と型について解説しました。ただ漠然と商品やサービスについて語るだけでは売るための文章にはなりません。型がすべてではありませんが、ユーザーの行動や心理を考えて文章を書くことは、とても大切です。
ただ、これは大前提の話です。セールスライティングの型を使えたとしても、”そもそもあなたの文章が読まれなかったら意味がない”のです。今まで数多くのライターさんの文章を見てきましたが、売れる文章を書けるライターさんは「自分の文章が読まれない」という前提で文章を書いていました。
最も大切な”読まれる文章の書き方”をまとめた記事があるので、ぜひ参考にしていただきたいです。