セールスライティングは、ユーザーの共感を呼び、ユーザーにどんなベネフィットがあるのかを紹介したうえで、最終的に購買などの行動に導くことを目的としたライティングテクニックです。そのため、ユーザー心理を確実に把握することがとても重要になります。
この記事では、セールスライティングやセールスレターのライティングに役立つ、行動心理学の原理や法則を9つ解説しています。ユーザー心理が手に取るようにわかれば、自ずと文章の書き方もわかってくるはずです。
Contents
セールスライティングに役立つ9つの行動心理学の原理・法則
商品やサービスを購入するとき、私たち人間は、常に何かを考えています。私たちは何も理由がないのに行動することはありません。私たちが「購入」という行動を起こすとき、そこには何らかの「思い」があるはずです。その「思い」を理解するうえでとても重要になるのが、「行動心理学」の考え方です。
20世紀前半に活躍したアメリカの心理学者、ジョン・ブローダス・ワトソン氏が提唱した行動心理学では、人間の行動パターンから対象の心理を理解します。人の心を読むことにおいて確実な方法はありません。しかし、この行動心理学の考え方が、セールスライティングを行う際、ユーザー心理を理解する参考になることは確かです。
①返報性の原理
人間は、誰かから何かをされると返したくなります。たとえば、あなたが友達にお土産を頂いたら、今度はあなたが旅に出た際に、その友達にお土産を買っていきたくなりませんか?これが返報性の原理です。
この原理で最もよく知られているのが試食です。人間は試食をするとお返しにその食べ物を買っていきたくなるものです。そのため、セールスライティングの際も、この返報性の原理を頭に入れておくといいでしょう。
ただし、返報性の原理は、一歩間違うと詐欺になる可能性があります。こちらの投稿は、セールスライティングスキルを詐欺に使わないために注意喚起したツイートです。
人間の心理を悪用することは御法度です。
②ソーシャルプルーフ
他人が気に入った商品やサービスを購入したくなる…思い当たる人もいらっしゃると思います。
行列を見ると、つい並んでしまう人がいますが、これはソーシャルプルーフの効果です。ネットモールなどで「ランキング1位を継続中」などの言葉を見ると、その商品が気になってしまう…これもソーシャルプルーフの効果です。
口コミや行列などのソーシャルプルーフの心理を考えてセールスライティングを行うと、ユーザーからの強力な反応が得られることがあります。
詳しくはこちらの記事「ソーシャルプルーフを使った文章の書き方」にてご紹介しています。
③希少性の法則
ホテルの予約サイトで、「この値段では残り1室」などと表示されていると予約を急ぎたくなります。この残り少ない状態、つまり希少性があると人間は商品やサービスを購入したくなってしまうのです。
- 初回限定!プレミアムプレゼント
- 今後の入荷は未定です。今なら~
- 本日○○時で予約を締め切ります
- 年に一度の大決算セール
- 先着○○名様限り、半額!
などの言葉に心を刺激されるのはあなただけではありません。
セールスライティングでは、この希少性の法則を利用してユーザーに行動を促すことが重要です。
④一貫性の法則
人間は、途中でやめることを嫌います。何度か続けて視聴したシリーズは、最後まで視聴したいと考えます。
この一貫性の法則は、一見、セールスライティングには関係なさそうにも思えます。しかし、ユーザーが商品やサービスを認知し、購買行動へと至るまでにはいくつかのプロセスがあります。
「電話での問い合わせ」
「フォームからの問い合わせ」
「ショールームへの来店」
など、ユーザーが購買行動に至るまでにはいくつかのプロセスがあるので、一貫してユーザーに関わると、ユーザーを購買行動へと導きやすくなります。
⑤反復性効果
反復性効果も、私たちがよく知っている、ぜひともセールスライティングに役立てたい効果です。テレビのコマーシャルがその代表例です。
繰り返し同じメッセージを送ることで、ユーザーの中にその商品名やサービス名、キャッチフレーズが記憶されます。
反復性効果は、セールスライティングというよりは、メルマガなどの継続性のあるメディアでより効果的に使えます。よく、「3回は繰り返せ」と言われますが、1回だけのセールスでは、人間の心理に響きにくいのです。
余談ですが、Twitterでは「売る力は絶大」という発信を何度もしています。おかげで、私に興味関心を抱いてくれる方が一気に増えました。その投稿がこちらです。
⑥権威性効果
人間は、ある分野において圧倒的な知識や情報を持つ個人や団体、社会的地位の高い人物などの意見を信じる傾向があります。
セールスライティングでは、この権威性の利用が非常に効果的です。
医師や学者などが「推奨している」などの文章はよくインターネットでも見かけます。しかし、そもそも権威性などないのに権威性があるように書いてはいけません。
⑦信頼関係
あなたは、「よく知っている友人」と「全く知らない人」、どちらが信頼できますか?
ほとんどの人が「よく知っている友人」と答えるはずです。
人間は、全く知らない人から商品やサービスを推奨されるより、信頼できる人から推奨されたほうが、その商品やサービスに興味が持てます。
そのため、セールスライティングの際は、ユーザーとの信頼関係構築も重要なテーマになります。1通のセールスレターだけでユーザーは動いてくれません。信頼関係の構築には、先ほど紹介した一貫性の法則同様、ユーザーと継続的に関わることや、ユーザーの抱える悩みなどに触れ、共感を得ることが重要です。
特にユーザーの抱える悩みに触れると、共感が一気に増えます。下記の投稿は、売り方に悩んでいる人に向けて、売上が変わる文章の書き方を共有した投稿です。
⑧損失回避
近年、ソフトウェアはディスクでの販売よりも、Webサイトでのダウンロード販売が一般的になっています。なかでも多いのが、機能が抑えられた試用版での提供です。
これが動画編集ソフトだったとしましょう。
動画編集ソフトの場合、タイムラインへの映像の配置は可能ですが、エフェクトやサウンドなどの利用は非常に限定的です。そして、ソフトを使うごとに、「有料版にするとこれだけの機能が使えます」というメッセージが表示されます。
ここで、イライラしてしまう人もいますが、「せっかく手に入れたものだから…」という心理になる人もたくさんいます。これが損失回避の効果です。
人間は、すでに持っているものを失いたくありません。この考え方をセールスライティングに活かすと、ユーザーと長期的な関係を築くことができます。頭に入れておくべき内容です。
⑨心理的財布
私たち人間は、欲をベースに生きています。自らが好きなもの、たとえば、趣味にならいくらでもお金を費やしたくなりますが、ほかの興味が薄い分野のことにはお金をかけたくない…。このように、人間は自らの欲をベースに、複数の価値観を持ち合わせています。これが心理的財布です。
普段、使っている日用品は100均やスーパーでしか買わないのに、趣味の時計にはいくらでもお金をかける人がいます。高級時計を買う人の心理を140文字でまとめたので、一読してみてください。
セールスライティングの際は、この心理的財布のことも頭に入れておくことが重要です。
最後に|独学でライティングを学ぶあなたへ
セールスライティングを実践するうえで重要な、9つの行動心理学の原理や法則を紹介しました。セールス活動を進めるためには、ユーザー心理の理解は必須です。紹介した原理や法則を頭の片隅に置きながら、ユーザーを行動へとかき立てる文章を考えてみてください。
追伸
もしライティングを独学で学びたい方は、こちらの記事「一流ライターの独学術|Webライティングの勉強方法を全公開」を参考にしてみてください。
余談を1つ。
私のプロフィールにも書いていますが、本ブログなどを見て、3人のお子さんを持つ”ライティング経験ゼロ”のママさんがセールスライターとして活躍しています。