商品やサービスを売るためのセールスライティングでは、ユーザーを行動へと導くことが重要です。しかし、何も考えずに文章を考えても、ユーザーは思ったように行動してくれません。
ユーザーを行動へと導くためには、人が行動したくなる文章をしっかり構成することが大切です。
この記事では、セールスライティングに役立つ、文章を書くための6つの法則を紹介しています。これからセールスライティングに取り組もうとしている人は、ぜひ読んでみてください。
追記
最後の章(PASONAの法則)では、実践レベルで使える”セールスライティングのノウハウ”を公開しています。
Contents
ユーザーを行動へと導くためのセールスライティング6つの法則
セールスのための文章は、ニュース記事や小説とはまったく異なります。「シンプルに伝える」という点では、ニュース記事と共通する部分もあるかもしれません。ただ、セールス文と一般的な文章は似て非なるものです。
- セールス文=行動させる文章
- ニュース文=情報を伝える文章
- 小説=読み手を満足させる文章
このように同じ文章でも役割が違います。本記事では、ユーザーを行動させるセールス文について解説していきます。
ユーザーを行動へと導くためには、人の行動心理を理解することがとても重要です。ただ、その人間の行動心理を全て理解せずに、ある程度決まった形式を使うだけで効果が出る法則があります。それが下記の6つの法則です。
- PREP法
- QUESTの法則
- SDS法
- AIDMAの法則
- CREMAの法則
- PASONAの法則
英語ばかりの法則で戸惑うかもしれませんが、名前は全て覚えなくていいです。自分自身が使えそうな法則だけを覚えましょう。
①PREP法
PREP法は、セールスライティングだけではなく、ビジネス文書やウェブ上の記事にもよく使われている文章の構成方法です。
PREPはそれぞれ、
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論)
を表します。おわかりのように、結論が構成の最初と最後に配置されていることが、このPREP法の大きな特徴です。
- PREP法においては、まず冒頭で簡潔に、ユーザーに対し結論を示します。「結論ファースト」でユーザーの理解を促します。
- Reasonの段階では、冒頭で語った結論になぜなったのか、その理由を説明していきます。この段階で商品やサービスの強みを伝えることも重要です。
- 理由の説明によりユーザーの理解が進んだExampleの段階では、具体例を挙げることで、ユーザーの理解をより強固なものにします。
- 再び結論を述べることで、ユーザーを納得させます。
PREP法は非常にシンプルですが、ユーザーの中に信頼感が醸成されれば、行動へと促しやすい構成です。文章を書くことが苦手だという人は、PREP法を身につけると、わかりやすい文章が書けるようになります。セールスライティングを身につけるなら、まずはこのPREP法をマスターするといいでしょう。
余談
PREP法を少し応用して、下記のように「結論ファースト×具体例」から始まる文章も使えます。
②QUESTの法則
QUESTの法則は、セールスライティング向きの、消費者心理に基づいた文章の構成方法です。QUESTはそれぞれ、
- Qualify(絞り込み)
- Understand(共感)
- Educate(啓発)
- Stimulate(刺激)
- Transition(変化)
を表します。
- Qualifyの段階では、ユーザーの絞り込みを行います。ユーザーが文章を読んだときに、「これは自分に対して書かれている記事だ」と感じてもらえることが重要になります。
- Understandの段階では、絞り込んだユーザーに対し、共感の意を表すとともに、悩みをそのままにしておくことで起きるネガティブなことを指摘します。この流れからユーザーを解決策の提示へと導きます。
- Educateの段階では、ユーザーに対して商品やサービスの強みを紹介して、悩みの解決策として最適であることを示します。裏付けとなる数値なども、ここで紹介しておきます。
- Stimulateの段階では、ユーザーに商品やサービスを手に入れたあとのことをイメージしてもらいます。ベネフィットだけではなく、商品やサービスを手に入れなかったときのネガティブなことにも触れることで、逆にユーザーを購買行動へと導きます。
- Transitionの段階は、購買行動への最後のひと押しです。
③SDS法
SDS法は、紹介するなかで最もシンプルな文章の構成方法です。シンプルすぎるためセールスライティングには向かないと考えられがちですが、メルマガやSNSでは利用しやすい構成方法です。SDSはそれぞれ、
- Summary(概要)
- Details(詳細)
- Summary(まとめ)
を表します。
- Summaryの段階では、伝えたいメッセージの概要を書きます。
- 概要に続くDetailsの段階では、概要で伝えた内容について、その理由を長所や短所を交えながら説明します。Detailsについては、いくつかのパラグラフや見出しに分けてもいいでしょう。
- 最後のSummaryは、Webライティングでもよく使われる「まとめ」のパートです。伝えてきた内容をシンプルにまとめて締めくくります。
SDS法を使うと、短くシンプルに文章をまとめることができます。どうしても最後まで伝えたいメッセージは、このSDS法で書くといいでしょう。
④AIDMAの法則
AIDMAの法則は、消費者の行動をベースに考えられた法則です。この法則に合わせて文章を構成するというよりは、行動を理解するために覚えておいたほうがいい法則です。AIDMAはそれぞれ、
- Attention(注意)
- Interest(関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
を表します。
- Attentionの段階では、ユーザーの注意を引くために商品やサービスを紹介します。ただ紹介するのではなく、気持ちを高ぶらせるような仕掛けがあると効果的です。
- Interestの段階は、ユーザーに商品やサービスに対して関心を持ってもらいます。商品やサービスが、ユーザーが持つ問題に対する解決策になることを示します。
- Desireの段階では、ユーザーに商品やサービスを「手に入れたい」と思ってもらいます。
- 先ほどの「手に入れたい」という欲求を思い出させる、もしくは強く印象づける段階が、このMemoryの段階です。あなたの商品やサービスが、問題解決に最適であることをアピールします。
- Actionの段階では、ユーザーの背中を購入へとひと押しします。
⑤CREMAの法則
CREMAの法則は、消費者を行動へと導くものですが、ユーザー視点というよりはビジネス視点の、PREP法に近い文章構成方法です。CREMAはそれぞれ、
- Conclusion(結論)
- Reason(理由)
- Evidence(証拠)
- Method(手段)
- Action(行動)
を表します。
- CREMAの法則でも冒頭から結論が来ます。
- Reasonの段階では、どうしてこのような結論になったのか、その理由を説明します。
- Evidenceの段階では、前段階で示した理由の裏付けとなる証拠を示します。
- Methodの段階では、どうすれば結論で提示した内容を実現できるのか、その方法を説明します。
- Actionの段階では、ユーザーを「行動」へと導きます。
CREMAの法則は、PREP法よりも少し複雑ですが、メルマガやセールスレターのライティングに使いやすい文章構成方法です。
⑥PASONAの法則
PASONAはそれぞれ、
- Problem(問題)
- Affinity(親近感)
- Solution(解決策)
- Offer(提案)
- Narrow down(絞り込み)
- Action(行動)
を表します。
- Problemは、ユーザーが持つ問題をはっきりさせる段階です。
- Affinityの段階では、冒頭で指摘した問題に共感することで、ユーザーに親近感を持ってもらいます。
- ユーザーが親近感をもったところで、問題を解決するためにはどうしたらいいのか、その解決策について具体的に言及します。
- Offerの段階では、先ほど提示した解決策となる商品やサービスを提案します。同時に、その商品やサービスが持つ長所についても言及しましょう。
- Narrow downの段階では、ユーザーを消費行動へと動かすために「明日まで」などの形で「特別なオファー」であることを意識させます。
- 最後のActionは、行動へと背中を押す段階です。
PASONAの法則は、構成が長くなるという欠点はあるものの、ユーザーを行動へと導くパワーがある文章構成方法です。
特別に公開いたします
これまで紹介したセールスライティングの6つの法則は、”あくまでも”基本中の基本の型です。
本格的に「行動させる文章」を学びたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。実際に私が売上1,000万円以上獲得したセールス文の正体です。
最後に
ユーザーを行動へと導くためのライティングの「法則」を紹介しました。これからセールスライティングを始める人は、まずはシンプルなPREP法やSDS法から練習してみるといいでしょう。
追伸
もしあなたが文章を通じて、売上を伸ばしたいのなら「3つのNOT」は知っておくべきです。売れる文章を書くライターで、「3つのNOTを知らない」という人に出会ったことはありません。